WEBマガジン 漁師に会いたい Vol.9 第五天祐丸 次期船長 瀬渡 悟さん

Vol. 92017.12.01 UP

第五天祐丸 次期船長瀬渡 悟さん

1983年 豊岡市生まれ
兵庫県立香住高等学校 漁業科 卒業後 津居山所属の沖合底曳網漁船にて7年間の経験を積み家業である沖合底曳網漁船「第五天祐丸」の船員に。将来は父の後を継いで船長になる予定。
優しい1児のお父さん。
趣味は「お酒を飲むこと」

Vol.9 第五天祐丸 次期船長 瀬渡 悟さん

漁師になる原点は幼い時にあり

「漁師になること以外は考えてなかった。」と悟さん。その原点は幼いころにありました。

夏期休漁中に大人に交じって網仕事をしたり、船に乗せてもらったり毎日浜に通っていたそうです。

「津居山から出たことが無い(笑)」と悟さん。津居山で生まれ育ったため漁業に触れる機会も多くまさに漁師になるために育てられたと言っても過言ではないと思います。

漁師の仕事は大変だが、非常にやりがいがあって楽しいとのことでした。

また魚も好きでノドグロをはじめとしたナダ物が大好きと答えてくれました。

 

底曳網漁について

津居山所属の沖合底曳網漁船の中でも「第五天祐丸」は多様な魚種を漁獲していますが、一番大変なのは何かと聞いたところ、カニではなく「赤エビ」と返事がありました。それはサイズごとに分けて、発泡スチロールのトレイに綺麗に並べそれを冷凍しなければならなく、非常に手間のかかる作業をするそうです。忙しすぎて時間が経つのが早いくらいです。

次に大変なのはカニ漁とのことでした。一番の稼ぎ時でワクワクする反面、近年は不安にもなると答えてくれました。それは船の心臓部であるエンジンを任されるようになり、もし漁の途中でトラブルが起きれば、帰港しなければならずその間の漁獲損害は多大なものになります。責任感の強い悟さんだからこそ、皆に迷惑を掛けたくないという思いが強く日々のエンジン整備にも力が入ります。

また、カニ漁は解禁後の2週間ぐらいはたくさん獲れるため忙しく、少々の時化では休まず出漁するので、体力がないときつい。それでもたくさん獲れれば給料となって返ってくるので嬉しいとのこと。反対に漁師の大変な所はと聞くと、「休みが決まっていないので予定が立てられないし、出漁中眠れないのが大変だ。」と悟さん。

それでも漁師の仕事は好きだと言っておられました。

 

 

未来の船長として

近い将来、父の後を継いで船長となる予定ですが、どんな船長になりたいかと尋ねたところ、人並みに水揚げが出来たらいいと謙遜しながら答えられました。

父を超えたいとは思わないかと聞いたところ、超えるのは無理だ、少しでも近づけたらいいととても尊敬している様子でした。

今の船長はとても厳しく取材中も熱心に悟さんを指導されていました。

また、悟さんには長男がいますが、将来家業を継いでほしいと言っておられました。

現在は船が入港する際にお出迎えをしたり、船に乗せてもらったりしているそうです。幼き日の悟さんと同じように。

こうして次の世代に繋いで行かれるのでしょう。