松葉ガニ(標準和名:ズワイガニ)
日本海の水深200~400メートルの大陸棚斜面広く分布しており、特に能登半島沖~若狭湾~隠岐島周辺の海域に多く生息しています。冬場での味覚であるカニの大型のものがオスです。オスに比べ、はるかに小型のメスはすこぶる美味で、カニの王様と言われ人気があり、特に肉の旨味と共に卵巣が喜ばれます。兵庫・鳥取地方ではオスを「松葉ガニ」と呼び、福井・石川方面は「越前ガニ」と呼ばれています。また、メスは「セコガニ」(セイコガニ)などの別名もあります。脱皮直後の甲の柔らかいオスは「水ガニ」と呼びます。
セコガニ(雌ズワイガニ)
雄のかにと比べると体はかなり小さい。
しかし、大切に抱いている卵、殻の中にたっぷり詰まったミソと内子(卵巣)は一度食べたら忘れられない旨さ!
セコカニは資源保護のために、およそ2ヶ月間しか漁獲しない大変貴重なものです。
香住ガニ(標準和名:ベニズワイガニ)
ズワイガニより深い水深800~1,800メートルの深海に生息し、その名の示すように全体が紅色をしています。甲の一番幅の広い部分の側、縁に一本の棘(とげ)があり、ズワイガニと区別ができます。漁獲方法もズワイガニの底びき網漁業と異なり、ベニズワイガニはかご漁業でおこないます。兵庫県下では、当香住漁港のみみずあげされていますので、「香住ガニ」の別名で広くPR活動をおこなっています。
エテガレイ(標準和名:ソウハチガレイ)
主に煮付け、干物にされますが、ムニエルや、塩焼きにしても美味しく食せます。
マガレイ(標準和名:アカガレイ)
煮付けに最高で、冬に刺身で食べるとヒラメのように美味です。値段もエテカレイよりも高価です。
山ガレイ(標準和名:ヒレグロ)
エテガレイ・マガレイと並ぶ当地区代表的なカレイで、主に干し物用として消費されますが、地元の家庭では煮付けにも用いられます。身厚はエテガレイよりやや薄めで、好みはありますが「味はこちらの方が美味い」と言う人も多いです。
ハタハタ(標準和名:ハタハタ)
秋から冬が旬のこの魚は干物、鍋物、煮付けにと食すことができます。秋田名物と言われたのは昔のことで、今では当山陰地方のものが主流となっています。
ニギス(標準和名:ニギス)
比較的安価な魚で、地元家庭では塩焼き、昆布巻き、つみれ、揚げ物などの料理に使われ、又、商品としても焼きギス、干し物、練り物等多くの物があります。
マダイ(標準和名:マダイ)
誰でも知っている、最も有名な魚。
日本海の荒波にもまれ育った天然真鯛は姿も色も美しくまさに魚の王様!
その身はほどよく締まり旨みも濃厚です。
旬は春でこの時期のものは特に桜鯛と呼ばれます。
アマダイ(標準和名:アカアマダイ)
津居山で漁獲される高級魚のひとつ。
その姿、体色は大変美しく浜に並ぶととても目を引きます。
上品な白身の魚で京料理の材料として有名。
ハマチ
出世魚で成長の階段によって関西では、ツバス→ハマチ→メジロ→ブリと呼び名が変わります。沿岸・沖合の切り立った岩礁や人工魚礁に集まるイワシやサバ、アジなどの表層遊泳魚やイカ類を捕食するために群を密集させたところを、巻き網や一本釣りで漁獲されます。巻き網漁業では一日に何万本も水揚げされることがあります。
キツネダラ(標準和名:タナカゲンゲ)
冬時期、かに漁の際に一緒に漁獲される海の底に棲んでいる魚。
見た目はグロテスクでも綺麗な白身で鍋や煮つけ、唐揚げにすると美味。
上手な料理のポイントは皮をむき下処理をきっちりすること。
アンコウ
冬の鍋の主役のひとつです。グロテスクな顔からは想像できない大変美味しい魚で、特に肝は絶品です 。
マアジ
言わずと知れた庶民のお魚マアジ。お刺身・塩焼き・干物などで食べた事がありますよね。
ヒラメ
言わずと知れた高級魚。刺身で食べれば最高のお魚。ヒラメの縁側は、身の部分とは違った食感、そして味。
ヒラメを食べる時は身と縁側を両方食べ比べてください。
白エビ(標準和名:クロザコエビ)
場所によっては、「モサエビ」と呼ばれ、山陰においては、赤エビ(アマエビ)と並んで代表的なエビです。中央市場には、あまり出回らず馴染みの薄いエビですが、味の方は赤エビよりも甘みは控えめで身がしっかりしており、逆に前者よりも味わいの有る甘みを感じます。活きたまま水揚げされる物も有り、店頭で飛び跳ねる活きた白エビを、買い求める事も可能な場合があります。
甘エビ(標準和名:ホッコクアカエビ)
水深300m以深の深い所に生息していて、沖合底曳網漁で漁獲されます。
スーパーやお寿司屋さんでも最もポピュラーなエビのひとつです。
とろける様な身の食感、そして何と言っても濃厚な旨みと甘みが特徴的です。
ホタルイカ(標準和名:ホタルイカ)
但馬地区では、松葉ガニ漁期終盤の2月頃から一部の底曳網船により漁が初められます。ホタルイカの場合、通常の底曳網漁とは違い出漁から帰港までが一日前後と非常に短く、鮮度保持中心の体制をとっています。又、流通面においても加工技術向上によりオーソドックスな茹でイカから干し物、生姜煮、醤油漬けなど幅広く商品化されています。
赤イカ(標準和名:ソデイカ)
大型のイカで、真っ赤な色をしています。身が厚く、お餅のような食感があり、冷凍にすれば甘みが増します。
白イカ
スルメイカに比べ、かなり高価です。主に刺身として食されますが、スルメや煮付けにしても甘くて美味です。選び方は、身が透明で吸盤にふれると吸い付くようなものがベスト。
スルメイカ(標準和名:スルメイカ)
名前の由来については、スルメに用いるイカ類の中で、もっとも多く使われているからという説と、イカ、タコなど墨をはく群、「墨群」と呼んでいたところから転じたという説があります。スルメになるのが、主にこのスルメイカです。漁獲量も多く、生の船内冷凍があり、日本人が好む鮮魚品の一つです。
サザエ(標準和名:サザエ)
荒海の潮間帯にすむものは、トゲがよく発達し、瀬戸内海のような静かな海にすむものには、ほとんど或いは全くトゲが欠如しているものがあります。味に差はないですが、サザエらしいのはどちらかな?選別基準は、重くて振っても音がしないもので、できるだけ早く食べきってしまうことをお奨めします。
アワビ
高級食材でコリコリした歯ざわりが特徴。刺身、酒蒸し、ステーキなどに調理されます。
但馬では、すべて鮮魚で水揚げされています。
キジハタ(アカミズ、ワカミズ)
神戸や大阪方面ではアコウと呼ばれる高級魚。ハタの仲間特有のしっかりした身質で、旨みも濃いのが特徴です。薄造り(刺身)はスダチ等の柑橘類が良く合います。残ったアラは、味噌汁や潮汁にして濃厚な出汁を味わってください。
アナゴ
日本海の深海に生息し、底びき網で漁獲されるアナゴは太く、大きく、江戸前や瀬戸内海のアナゴとはかなり違う姿をしています。このアナゴを蒲焼きにすると、ウナギに勝るとも劣らない濃厚なうま味と脂の甘みが味わえます。最近は甘辛干しなどがテレビで取り上げられ、おみやげ物としても人気があります。
サワラ(小:サゴシ)
近年、日本海での漁獲が増えているサワラは、9月から10月に小ぶりのサゴシと呼ばれるサイズが、春頃には一回り大きなサワラが漁獲されます。西京漬けなどが一般的ですが、鮮度の良いものが手に入ったら刺身でどうぞ。特に表面を軽くあぶったタタキは、皮の香ばしさと身のしっとり感のバランスが最高です。
スズキ(小:セイゴ)
夏場に多く漁獲されるスズキは白身で淡泊な弾力のある身をしており、関西では特に夏には「洗い」にします。クセのない繊細な身は、ムニエルや塩焼き、フライなどが一般的ですが、風味を殺さないことが大切です。切り身に軽く塩をして野菜などと一緒に蒸し調理すると、身のしっとり感と程よい脂が野菜と共に美味しくいただけ、おすすめです。
クロソイ
ソイの仲間では最も高級と言われています。まずは刺身をお楽しみください。身の香りを楽しむためにも早めにエラや内臓を取り出すのがポイントです。さらに皮をひいて1日冷蔵庫で寝かせると、うま味がグンと増します。脂ののりが良く、塩焼きや煮付けでも楽しめます。
ノロゲンゲ(ドギ、グベ、ノメ)
つるっとした肌につぶらな瞳の憎めない顔をしています。表面はコラーゲンたっぷりで、汁物に入れると上品な味わいが楽しめます。
他にも煮付けや天ぷらなどいろいろな料理を楽しめます。加工品として干物も販売されており、さっと焼いてレモン汁を少しかけると、酸味との相性が絶妙です。
アカムツ(ノドグロ)
全国的に有名になった高級魚ノドグロ。白身とは思えない芳醇な旨味と脂があり、なんと言っても塩焼きが一番。箸を入れたときに溢れる肉汁と、白身のフワリとした身は、ノドグロでしか味わえないといっても言い過ぎではありません。鮮度が良ければ刺身もおすすめ。柔らかく脂のうま味を堪能できます。小さなものは頭を落として汁種にすると、だし汁に上品なうま味が加わります。干物にしてもその旨さを堪能できることから、地元では開き干しにも加工されており、お土産品として重宝されています。
マダラ(タラ)
大きなものは1mを越え、まさに鱈腹食ったように丸まるとしています。浜では冬のオスが非常に高値で取引されます。身はご存じのとおり綺麗な白身で、鍋物や煮物、フライに、白子といわれる大きくプリプリの精巣は、サッと湯通ししてポン酢で食べたり、天ぷらにすると濃厚な味が口いっぱいに広がり絶品です。春先には小ぶりのタラが多く見られ、干物に加工されています。軽くあぶってマヨネーズと一味を付けて、じっくり噛んでみてください。あふれ出る味わいにビールが欲しくなりますよ。
マトウダイ
体の中央に黒い斑点があり、弓の的に似ているため「的鯛」になったという説と、馬面のために「馬頭鯛」と呼ばれたという説があります。体は扁平で頭が大きく、お世辞にも美味しそうには見えませんが、非常に美味な魚です。秋口になると程よく脂がのって甘みも増し、刺身が非常に美味しくなります。加熱するとうま味が増すので、煮付けや椀種として地元では昔から愛されている魚です。アラはすまし汁でどうぞ。
キダイ(レンコ、レンコダイ)
マダイの親戚ですが体色がヒレを含めて全体的に黄色みがかっているのですぐに区別できます。夏の終わりから秋にかけては脂が乗ってくるので、尾頭付きの塩焼きにすると非常に美味です。小ぶりのものは3枚におろして酢じめにするとお酒のあてにもってこい。
特に皮と身の間には濃厚な脂の甘みがあって絶品です。
イサキ
成魚は全長45cmに達し、体表は細かい鱗がザラザラしています。
成魚の体色はオリーブがかった褐色ですが、幼魚は体側の上半分に黄色の縦縞が3本あります。成長するにつれこの縦縞は薄れますが、成魚でも春夏には縦縞が出現することもあります。
イシダイ
成魚は通常全長50cm程度ですが、稀に全長70cm・体重7kgを超える大物が漁獲されることもあります。
食材としての旬は秋で、身は白身で、全長40cm程度までが美味とされています。大型個体は却って味が落ち、シガテラ中毒の危険もあるので食用には向かない。また、死後に時間が経つと磯臭さが強くなるので、この点でも注意が必要です。
主な料理法は刺身、洗い、寿司種、塩焼き、煮付け、唐揚げ、ポワレなど。
クエ
ほぼ1年を通して漁獲されますが旬は冬で、刺身や鍋料理(和歌山で「クエ鍋」、福岡で「アラ鍋」)などの高級食材として扱われ、「クエ食ったら他の魚食えん」とまで言われることもあります。皮を引くと厚い皮下脂肪があるが味は淡白で、「大きくて見かけが悪いのに美味な魚」の例としてよく挙げられます。相撲界ではちゃんこ鍋の具材として馴染み深い魚です。
クロダイ
成長によって呼び名が変わる出世魚でもあり、関東ではチンチン-カイズ-クロダイと変わり、関西ではババタレ-チヌ-オオスケと呼ばれます。 関西地方を中心に「チヌ」という別名がよく用いられますが、他にもクロ(東北地方)、ケイズ(東京都)、カワダイ(川鯛:北陸地方)、チンダイ(山陰地方)、チン(九州)、クロチヌなど、様々な地方名がある。
ブリ
身は刺身、寿司だね、塩焼き、照焼き、西京漬けに、頭やアラは、アラ焼き、かす汁、ぶり大根などの煮物に最適です。皮はうろこを取り、軽く焼いて、千切りにした大根や人参となますにすると良いでしょう。アゴの部分は、DHA、IPAが多く、塩焼きにしたものを”ブリカマ”といいます。
ヨコワ
ヨコワは成長すると本マグロとよばれます。大きくなるたびに名前が変わる出世魚です。
マグロにはいろいろ種類がありますが、マグロの中では最も大型の種類です。大きくなると最大で3mを超えます。
ウチワ
カワハギ科の魚。うちわのような形をしたカワハギなので「ウチワハギ」と呼ばれています。他にも「ウチワハゲ」「オキウマヅラ」「ツノコ」など各地で様々な呼び方があります。
秋から冬が旬なので鍋やみそ汁に入れると美味しいです。