香住小型一本釣組合長大西 准二さん
満69歳
20歳の時から沖合イカ釣り漁を皮切りに漁師としてのキャリアがスタートする。
その後、35歳からは漁船保険業務に従事する。
62歳から現在に至るまで香住小型一本釣組合長を務める。
好きな魚は”イカ”と”タコ”と言う
小型一本釣りとは
大西さんが組合長を務める香住小型一本釣組合には約40隻の船が
あります。ほとんどの船が一人で漁を行っているのが特徴的です。
また、禁漁期間がない事も特徴の一つです。
香住港では底曳き網漁や香住ガニ(ベニズワイガニ)漁は禁漁期間を
設けていますが、一本釣り漁にはありません。
春はマダイ、夏はスズキやシロイカやイサキ、秋はヨコワ、そして冬は
寒ブリなど、四季折々に獲れる旬な魚を釣り上げています。
募る危機感
日本国内で漁師の担い手が不足していることは周知の事実です。
香住小型一本釣りの世界でも同様です。しかし、大西さんは近年、
今までに無いほど危機感を感じています。
「漁師の担い手が少ない事も大きな問題ですが、
それよりも問題は漁獲の 制限です。」
と大西さんは言います。
漁獲の制限とは、資源保護のために小さな個体の漁獲量を地域ごとに
割り当てることです。
「確かに、資源保護は大切です。でもそのために漁師が生計を
立てられなくのは大きな問題です。」と大西さんは言います。
(漁獲制限のクロマグロ(ヨコワ))
今こそ横のつながりの強化を
漁師不足、漁獲の制限、燃料代の高騰など漁師を取り巻く環境には
様々な課題が山積しています。だからこそ、組合の「横のつながりを
もっともっと強く深めていく」必要があります。
漁獲の制限も小型一本釣り組合全体がもっと話し合いをして、要望や
改善点を発信していけば、今よりも良い方向に進むと思います。
以前は漁業青壮年部や婦人部といった活動が盛んでした。このような
組織や団体をうまく利用して、横のつながりをもっともっと持つことが
できれば漁業界も盛り上がります。
「みんなで一緒に漁業の研修や勉強会にいくのも良いかもしれない。
漁師以外の意見も取り入れないと今後はやっていけませんから」
と言います。
漁師は家族の協力があるからできるもの
小型一本釣り漁は操業こそ一人でしますが、漁の準備・帰港後の
片づけ・浜揚げなどの一連の作業は家族の助けがないと
成り立ちません。
漁師は寡黙な人が多いですが、心の底では家族に感謝しています。
「手伝いをしてくれる家族のためにも、より良い漁が出来るように
今後も活動をしていく」と大西さんは今後の意気込みを熱く
語ってくれました。